Aichi brand

金属製品

株式会社河村工機製作所

ISO9001、14001

板巻きパイプが主力製品金属加工でモビリティー業界に貢献

2階建ての新工場棟(写真手前)。本社機能は従来のまま、本社工場の生産機能を移した

本社工場を移管すべく阿久比工場に新工場棟が竣工

 金属部品加工を事業の柱にする河村工機製作所。金属板をパイプ状に加工したのち溶接した板巻きパイプが主力製品だ。同社の金属部品は、具体的にはマフラーを吊り下げる役割のバルジパイプ、マフラーの出口部分となるマフラーカッターと、主に自動車の排気システムに使われている。
 板巻きパイプの製造時に、プレスと溶接という異なった工程を1台の専用機のみでこなす「RP(ロール・プラズマ)」技術を自社開発。複数工程の加工を集約できる専用機も、自社で開発・製造したものだ。この技術では、プレスと溶接の生産スピードの違いから生じる中間在庫を無くすことができる。労働時間、エネルギー消費の圧縮だけでなく、在庫ロス、トータルコストダウンを顧客に提案することが可能になった。RP技術開発の功績が讃えられ、2015年に「愛知環境賞優秀賞」、2017年には経済産業省の未来牽引企業に選定されている。
 そして2023年9月、知多郡阿久比町にあった阿久比工場の敷地内サッカーグラウンド跡地に新工場棟が竣工された。これまで名古屋市緑区鳴海にあった本社工場の老朽化、耐震といった課題解決のため、本社工場の生産機能をそのまま新工場棟に移管した。
 「広島や北九州にも工場はありますが、愛知県内の製造拠点は一カ所に集約します。今後の受注増減に、よりフレキシブルに対応できると考えます」(藤本徹代表取締役社長)。
 新工場棟が本格稼働するのは2024年1月。全館空調設備を備え、工場内物流合理化のため自動搬送機を活用。社員、とりわけ女性も長く働ける製造現場の実現をめざす。

パンチング加工を施したパンチングパイプや、マフラーを吊り下げる役割のバルジパイプ

DX推進を図りビジネスフローが劇的に変化

 近年、同社ではDX推進が加速度的に進んだ。コロナ禍前、異業種となる金融機関からの転職組が数名入社し、オンラインを活用した仕事の合理化、ビジネスフロー改善に取り組んだ。結果として、頻繁だった工場間の移動はオンラインミーティングへ。機械のメンテナンス相談も、タブレット機器で動画を撮影、共有して対応する。また、情報システム部のデータ班は、社員ごとに仕上げた製品の加工データをソフトを使い集計。精度の均一化、生産性向上を目的に客観的データとして可視化することで社員の意識改革を図った。
 未来を一緒に考えられる社員と共に、次の設計図を描きたい、と語る藤本徹代表取締役社長。働き方も柔軟に変えながら、新たな事業展開も先に見据える。

SDGs

自社開発したRP技術と専用機によって、工程スペースが従来の1/3、消費電力に至っては1/8に縮小。環境負荷を低減させた取り組みとして、2015年「愛知環境賞優秀賞」を受賞している。SDGsへの取り組みも積極的で、2023年9月に完成した阿久比の新工場棟では、効率化を図った生産ラインで社員が働きやすい職場環境をめざしている。

Message

新工場棟は、地元志向の女性が働きやすい製造業をめざしたいという想いを込めました。お陰様で女性求職者は増えているのですが、入社して長く働ける会社でないといけません。近年導入した半日年休など、今後は制度面も手厚くしていく考えです。

代表取締役社長
藤本 徹


Company Profile

株式会社河村工機製作所
本社/名古屋市緑区鳴海町字太鼓田4番1
電話/052-621-8111
代表取締役社長/藤本 徹
設立/1954年
従業員数/215人(2023年10月計)
売上高/70億円(2023年2月期)
国内拠点数/5ヶ所
URL/https://www.kawamura-koki.co.jp/
働きやすさアピール/新卒・中途・社食・車・産/育・文系・研修

社是 他社よりも一歩先んじた技術力