Aichi brand

金属製品

矢留工業株式会社

ISO9001

ダクトを柱とし環境問題と生産性に貢献

全国の空調設備関連会社から引き合いが多い同社の看板製品・ラインエコ(右上)。開発した成形機(右下)も販売している

他社には真似できない強み

業界トップシェアを誇る同社の強みは、空調ダクトにおける、軽量化の特許取得と、「ラインエコ」ダクト開発にとどまらない。このとき同時に開発し、全国に販売をスタートしたのは、その成形機。自社ノウハウを活かし全国に浸透させる技術力は、まさに業界随一だ。

ダクト性能を確かめる技術試験

ものづくりメーカーながら設備工事まで担う

 大きな建造物において、空調からの冷暖房を各部屋に送り届ける、筒状のパーツ・ダクト。矢留工業株式会社は、工場やビル建築用のダクト、各種エルボや継ぎ手といった製品群を製造。その取り付け工事まで担う、メーカー兼設備工事会社として歩んできた。温度や湿度、気流、その浄化機能など建物全体を鑑みた「空気調和」を掲げ、塗装プラント工事にも進出している。
 ダクトの製造においてはいち早く自動化を進め、アーク溶接ロボットの導入など、常にイノベーション志向を貫く同社。溶接プロセスにおける、歪みといった技術的問題についても、積極的に研究開発や設備投資を進め、進化している。そんな同社が近年、開発したのが「ラインエコ」ダクトと、その成形機。軽量・高強度といったハイスペックはもちろん、あらゆる社会問題の解決策になりうるものとして、期待を集めている。

SDGs の取り組み

 ラインエコは、板厚を削りつつも、独自加工により必要強度を達成した、新発想のダクト。軽量ゆえに設置作業性が向上するだけでなく、製造時の資源量およびCO2排出量低減、さらに輸送時のコストとCO2排出量低減を同時に叶える斬新な製品だ。省資源・省エネルギーに貢献する点はすでに評価されており、2016年には、愛知環境賞優秀賞を受賞。SDGsのゴールのひとつ「13:気候変動に対する具体的な解決策」として注目を集めている。
 ラインエコについて特筆すべきは、この稀有な技術の特許を取得し独占するのではなく、むしろ価格を抑えた新開発の成形機を同業他社に販売している点。そのメリットを享受すれば、自社のみでは実現しえない量のCO2が削減でき、また建造物施主のカーボンニュートラルにも貢献できると見込んだのだ。こうして実現したラインエコのスタンダード化によって、CO2削減量はすでに2万4千トンに達している(全国に納入した成形機を含む/同社推定)。これは、〝地球上の誰もがともに考える〟という、SDGsの精神にも則った模範的な企業姿勢。そして、先進的な実例ともいえるだろう。
 技術革新に挑みつつも、常に設計・施工を効率化する設備の開発・導入をこなして、自社の生産性を向上。その一方で、誰もが働きやすい環境づくりといった、地道な人づくりをこなしてきた同社。「8:働きがいも経済成長も」といったSDGsの課題にも見事答える経営努力は高く評価され、創業50周年となる2020年には、経産省「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に認定された。
 技術やノウハウの確実な蓄積と発想の転換をもって、世のためにあり続けるメーカーという評価を揺るぎないものとしてきた同社。新社屋の竣工を迎え心機一転、今後もSDGs型企業として、盤石の体制を貫くべく、さらなるポテンシャルを開花させていくだろう。

Message

最新設備やシステム導入を図りつつ当社は発展してきました。そのベースとなるのは「人の和」。従業員たちの確かな絆があってこそ、多彩な業務のアイデアが生まれます。今後も人の和を礎とする環境設備を世のために送り出します。

代表取締役社長
東海林 昌仁

合言葉となる社是「人の和」

福利厚生面にも前向きな同社は、有資格者育成支援のほか、学生時代の奨学金支援といった手厚い制度も。こうした制度面で従業員をサポートするほか、チームワーク醸成のため新入社員歓迎会やBBQ大会、社内旅行などイベントも数多く設けている。これこそが長く働く人が多い一因にもなっている。

「人の和」を重んじるため、社内イベントなども多い


Company Profile

矢留工業株式会社
本社/春日井市上田楽町291番地
電話/0568-31-8152
代表取締役社長/東海林 昌仁
設立/1970年
従業員数/50人(2022年9月計)
売上高/15億円(2022年9月期)
国内拠点数/1ヶ所
URL/http://www.yatome.co.jp/
インターンシップあり
働きやすさアピール/新卒・中途・社食・車・産/育・文系・研修

経営理念 矢留工業は意欲的な自己革新とテクノロジーの進歩を追求し、 環境設備と生産設備の創造により人々の快適環境に貢献します。