Aichi brand 愛知ブランド
自動車用小物ばねのトップメーカー 次世代生産に備え豊明工場を竣工
産業用ロボットが活躍する豊明工場。人、そして環境に優しい思いやり工場をコンセプトにしている
農機具からばねへ。開発力に定評がある「ばねの東郷」
1881(明治14)年に創業した東郷製作所。当初は鍛造農具の製造を手掛ける会社だった。
1930(昭和5)年、それまでの農具の鍬は裏側に土が付着する不便さがあったため、鍬の裏側にくぼみを作った文化鍬を考案・販売。文化鍬は産業賞を受賞し、鍛造技術で成長を続けた。困りごとを新製品で解決させる高い開発力は、創業当時から根付く強みだ。
戦時中よりトヨタ自動車向け小物ばね製造をスタートさせ、戦後すぐトヨタ自動車の協力工場に認定された。世界初の技術により開発した薄板ばね式ホースクランプは現在、多数の自動車メーカーに採用され、同社の20%以上の売上を占める主力製品。ワンタッチタイプで組付け作業が容易な同社のホースクランプは年間9億個以上生産され、国内シェアナンバーワンを誇る。
豊明工場は人と環境の共存がテーマ。働きやすい環境を実現
2023年1月から稼働を始めたのが、同社では国内5カ所目、約14年ぶりの新工場となる豊明工場だ。締結部品であり主力製品のホースクランプの生産を本社工場から移管、さらにHV・EV・FCVなどの次世代自動車に向けた生産拠点を担うことになっている。
豊明工場のコンセプトは「人に優しい、環境に優しい工場」。工程レイアウトを最適化することで、製品の流れから無駄をなくし生産能力向上を図り、品質向上と生産数の増減へのフレキシブルな対応をめざす。
これまでの年間9億個という生産数を上回る、年間10億個を掲げる同社だが、同時に人、環境への配慮は忘れない。豊明工場では無人自動搬送機、自動運転搬送機の導入を推し進めた物流スマート化を構築するとともに、資源エネルギー使用量の低減、再生可能エネルギーの導入にも取り組む。
自社商品
東郷製作所の主力製品は、世界で初めて生産した薄板バネ式ホースクランプ。それまであったねじで締めるクランプは、ホースの劣化による液漏れを引き起こす問題点があった。薄板ばねは組み付けた時の締め付け力が均等になり、小さな力で締め付けを可能にした。薄板ばねを開発したことで、ホースクランプそのものの性能も飛躍的に向上させた。
エコカーレース、2連覇中!
社員の挑戦を応援する社風が根付く東郷製作所。社員がドライバー、メカニックとなりレーシングチーム「EVエコクラブ」を結成してレースに参戦する。省エネレース「ワールド・エコノ・ムーブ」GPシリーズにおいて、2022~23年と2年連続年間総合優勝を達成!同じレースに挑戦する高校生チームが同社を訪ね、交流を深めている。
SDGs の取り組み
地元・東郷町との関わりを大切にする同社。社会貢献活動として40年以上継続するのが、東郷町内の新小学1年生へ黄色の交通安全帽子を寄贈すること。毎年、小学校を一校訪ねて、交通安全を祈願し、直接、児童に贈呈している。
また、市や企業との協働事業として、東郷町に多く自生する菊科植物の特定外来種オオキンケイギクの駆除活動を実施するほか、スポーツイベントへの協賛を通じ、地元の活性化を支援する。
もちろん自動車部品製造の現場でも環境負荷の少ない部品、資材を使用。自社で「グリーン調達ガイドライン」を設定して取り組む。
Message
当社では2050年に全製品の完全カーボンニュートラル達成に向け、当社のロードマップを基に循環型社会・自然共生社会実現のため行動しています。これからも日々、品質向上に努め、お客様に満足していただける会社をめざします。
代表取締役社長
相羽 繁生
豊明工場が主力製品「ホースクランプ」の新たな生産拠点となった
Company Profile
株式会社東郷製作所
本社/愛知郡東郷町大字春木字蛭池1
電話/0561-38-1111
代表取締役社長/相羽 繁生
設立/1947年
従業員数/860人(2023年12月計)
売上高/420億円(2023年12月期見込み)
国内拠点数/7ヶ所
海外拠点数/5ヶ所
URL/https://www.togoh.co.jp/
インターンシップあり
働きやすさアピール/新卒・中途・社食・車・住宅・産/育・文系・研修
主な海外取引先
ばね、ホースクランプ、リターンスプリング、クイックコネクタ、樹脂、動力線、熱処理、オーステンパー、フォーミング、ジオメット、HCシルバー、ラゲッジスプリング、締結、バルブスプリング、ダンパースプリング、トレランスリング、トランスコイル、バスバー、表面処理、人協働ロボット、スマイビ、ハイブリッド、HEV、電気自動車、BEV、高周波コイル、チョークコイル、端子、インサート、金属コネクタ