Aichi brand 愛知ブランド
完全受注生産で製造する工業炉専門メーカー
ガスの化学反応を利用する表面改質装置(左)、熱処理を行う各種炉(右上、右下)
第三工場は魅せる工場!
熱処理部門がある第三工場。熱処理の受託加工を行いながら、炉のレイアウトや性能を実際に顧客が見ることができるモデルルームとしての役割も担う。小型から大型の炉が並んだ第三工場は顧客がイメージを膨らませる場所でもある。IoTに対応した炉もあり、先進的なニーズにもしっかり応えている。
2024年、第一工場が竣工。研究開発にも力を注ぐ
中日本炉工業は工業炉の設計、製造、販売、メンテナンスまで行う工業炉専門メーカー。真空熱処理炉や焼戻し炉、焼結炉など多彩な製品づくりに取り組んできた。
製造する炉は完全受注生産であり、すべてがオーダーメイド。そのため入念な打ち合わせ、顧客との関係性を大切に考え、構想設計段階から顧客と共に知恵を出し合い、関係性を築きながら、ここまで成長を遂げてきた。
設備面では、老朽化により建て替え工事を行っていた第一工場が2024年6月に竣工を控える。第一工場は熱処理、炉の組立を行うほか、情熱を注ぐ研究開発室も併設される。環境配慮型企業として取り組んできた、プラズマを熱源とする大型のアクティブスクリーンプラズマ窒化装置の製造、小型化や制御装置の開発を続け、熱効率の良いプラズマ炉をめざす。
SDGs の取り組み
働きやすく人に優しい環境をめざし、労働時間の可視化を図り、時間外労働時間の見直し、削減に取り組んできた。
具体的には、生産工程・作業工程を大型モニターに表示させてリアルタイムで見える化。社員がチーム制で業務を担当することで作業量を分散。過去には長時間労働もあったが、勤務状況を社員間で共有することにより、労働時間、休日・休暇に対する意識を改革。
2020年、こうした取り組みが評価され厚生労働省愛知労働局から「ベストプラクティス企業」との認定を受けた。
ピンチをチャンスに!コロナ禍は人に投資
「ピンチの時期こそチャンスと捉えています」(後藤峰男代表取締役)と語る通り、2008年、リーマン・ショックの際には意欲的に社員を採用した。それまで人員不足に悩む時期があったため、他社が採用を控えるなかでも、積極採用。結果、社員数は2008年時に約50人だったところ、今では113人と急成長を果たした。2008年以降新卒入社した社員の多くが、今では子育て世代に。こうした背景から産休・育休制度を充実させ、2024年1月時点で5人の社員が制度を使い同時期に休暇を取得。男性の育児休暇も過去4人が取得するなど、制度を利用しやすい社内風土も醸成されている。
また、2018年、社内SEを3人採用した。従来、社内に炉の技術者こそいるものの、ソフト面を担うSE(システムエンジニア)は社外取引先の社員だった。技術とソフト双方の考えを社内で容易に共有しあうことが狙いだ。
大切にするのは「顧客の利益を追求する」こと。顧客のための挑戦は失敗と捉えない。社員の挑戦を後押しする会社であり続ける。
コロナ禍の変化
コロナ禍を経て、中日本炉工業はDX推進の意識が社内に浸透した。数年前まで、繁忙期に見られた長時間労働を是正。適正な勤務時間、日数を社員みんなで意識付けるため、それぞれの労働時間をオフィス内で可視化した。また、コロナ禍で生まれた隙間時間は、社員教育の場と考え、OJTの強化、見直し時間に推奨。人を育てる有効時間と捉え、社員全員で前向きに行動した。
Message
労働環境改善、DX推進に取り組み、代表として社員の働きやすさを考えてきました。また、2023年に工業炉業界発展に寄与したと評価をいただき、藍綬褒章を受章させていただけました。周りの皆さんに感謝し、業界の成長に務めます。
代表取締役社長
後藤 峰男
予熱、加熱、冷却ができる3室型
連続式真空熱処理炉
Company Profile
中日本炉工業株式会社
本社/あま市木折八畝割8
電話/052-444-5141
代表取締役/後藤 峰男
設立/1965年
従業員数/113人(2024年1月計)
売上高/29億2,600万円(2023年7月期)
国内拠点数/1ヶ所
URL/https://nakanihon-ro.co.jp/
インターンシップあり
働きやすさアピール/新卒・社食・車・住宅・産/育・研修
主な海外取引先
プラズマ、熱処理、工業炉、コーティング(CVD)、窒化、真空炉、焼入れ、オーダーメイド、電気炉、焼戻し、地域未来牽引企業、燃焼炉、受託加工、あま市、焼結炉、金属材料分析、ASP(アクティブスクリーンプラズマ)、浸炭炉、熱流体解析、自動化、油焼入炉、AI画像認識、金型、超硬合金、磁気焼鈍、固溶化処理、金属製品、SDGs、ろう付け処理、鉄鋼